モエと牙偉(がい)の夢旅行   

 

 

 

この物語は、このページに載せる為に「君平の家出」を書き直したものです。

夢には無限の世界があり、そこから物語りは始まります。
カエデの, 紅葉している葉を見ていると、少し黒い部分や, 黄色にオレンジ色、一枚の葉の中に色のグラデーション、その葉を太陽に透かせば, 高原の澄んだ空気と、真っ青な空に溶け込んで ・・・ほーら物語が始まりますよ。

エの大好きな牙偉(がい)は、白猫の名前です。 一応飼い主ですが、まだまだ猫のことについて勉強不足。 特にだめなのが猫語で、時々何を言っているのかわからず 、牙偉にいやな顔をされています。 今日は2月の土曜日で学校が休み、目が覚めているのに、ベッドから起きないでゴロゴロしていたら、牙偉が入ってきて、モエの一番気に入っている靴の片方をくわえて、こう言った。 「俺さ、ちょっと旅行に行くんだけど、おまえの靴がどうしても必要だから、もらっていくぞ。ジャーナー。」 「ちょっと待って、どうしてあたしの靴が必要なのよ?それに何処に行くのよ?」   「モエ! おまえ猫語が 解るようになったのか? それなら早く着替えて、俺について来るか?」 そうと聞いたら、好奇心いっぱいのモエが行かないはずが無い。

いで着替えをすませ、牙偉の言いつけで、もう片方の靴を持ってきた。 「用意ができたけど、これでいいの?」 「あー、いいよ。  ソレジャ俺のシッポにつかまんな。」 そしてブチッと自分のひげを抜くと、モエの顔にくっ付けた。 「これは、おまもりだよ、ミャーオーゥ!。」 なんと事もあろうか 目の前の、壁のふし穴めがけて二人は飛び込んだ。  中は真っ暗で、上には星のように、小さい灯が見えている。  「アー!!ビッリした。 こうなるってチャンと教えてよ、もーー。 でも、ここって、ディズニーランドのスペースマウンテンの中みたいで、ちょっとワクワクする所だね。」 
「フーン、そうかー、ここはいつも雨が降ってて、止むことがないんだ。 雨に濡れるのヤだから、この場所は苦手なんだが、ここを通らないと何処にも行けないんだ。」 

ー、今度は俺の背中に乗りな。 ここからは自分の体の大きさを、自由に変えることが出来るんだぜ、面白いだろ。」 「それにしても一体どうなっているの? 壁にぶつかるかと思ったら、ふし穴を通り抜けてさ、へんなのー、ここはどこなの?  牙偉は魔法が使えるの?」 「ヘヘェン、ここは、モエワールドって言うんだ。 目的地に着いたら、いろいろ教えてやるよ。 それまでは、俺の言うことをよーく聞くんだよ。 さーぁ! 行くぞ、もたもたしていると、兵隊アリにつかまって、元の世界に連れ戻されるからな。 上のほうで星のように光っているのが、兵隊アリの目玉だよ、時々黄色く見えるのが、女王アリの持っているハサミさ。」

エは急いで、牙偉の背中に乗った。 「モエワールドだって? あたしに関係あるのかな?」 「行けば解るよ。」  牙偉は、緑色の灯が見えている方へと、猛スピードで走り出した。 やがて、緑色の灯にたどり着き広間に出た。 二匹のカワイイ人魚が、大きなバスタブの中で、人間を飼い慣らす方法とゆう本を見ていた。 そのうちの一匹が、気がついて「あーら 牙偉じゃないの、久しぶりね、元気だった? それにステキなガールフレンドだこと。 ところで、今日は何を持って来てくれたの?」 「やーあー、カレンにヘレン、君たちも元気そうだね。 彼女は一応・ ・・私の飼い主でね、モエって言うんだ、よろしくな。 そうそう彼女が一番気に入っている靴を、持ってきたんだ。」 2年前に、ドイツで買ったお気に入りのスニーカーを 、モエはシブシブ渡した。 「素敵だわ、うれしいなー。」カレンとヘレンの尾びれが、ニュイーと伸びて、一本の足に変わり、片方づつはいて、はしゃいでいる。 「さっ、今だ!急いで行くぞ。」なんだかあせってる 牙偉の背中に、急いで乗ると同時に、一目散に走り出した。

は、あいつら双子のアマノジャクでさ、人魚じゃないんだ。 人間の赤ん坊を食べて生きている、恐ろしい妖怪なんだが、人間にあこがれていて、人間が一番気に入っているものじゃないと、あの門を通さないんだ。 もう邪魔者はいないと思うけど、モエワールドは、何が起きても不思議じゃないから、用心しろよ。 サッ、マハラジャ王に会いに行くとするかな。」 そう言ったかと思ったらいきなり、そばにあった水溜りに飛び込んだ。

にはなんと、クジラが泳いでいた。 さらに驚いたのはモエの妹のユウが、クジラに乗ってはしゃいでいるのが見えた。 「あっれー! どうしてユウがいるの?」 「やーぁ、モエ! 呼んでくれてありがとう。 スッゴク楽しいよー!。」 「モエ、お前が、ここにユウもいればいいと思ったからだよ。 不思議だろう、そこがここの良い所さ。  これからは、モエが考えた事が現実になるんだよ。」 水溜りを通り抜けると、そこはとても広いシャンボールの森があり、大きなシャンボール城が見えた。 

こが、マハラジャ王のいる、猫王国なのだ。 「王様お久しぶりです。お元気そうで何よりです。」「オォー!  牙偉ではないか、お前も元気そうじゃないか、ヤァー可愛いいお供が、ヤット来たようじゃな。」 「はい、何とか間に合いましたか? さっ、前に出て王様に挨拶しなよ。 実はなモエが来るのを、ずーっと待っていたんだよ。」 「あたしを待っていたの? それにしても、何ともデッカイ猫さんなの。 そう、まるでトトロだわ。 きっとそうよ、あたしとユウの願いがかなったんだ!。」  そこで、王様の前に出て行くと、「トトロ様、あっ違うマ、マ、マロン ・・様?」 「マハラジャ王様だよ!」 「あはっ!そっか、マハラジャ王様、初めまして、モエと申します。 水溜りの中で、クジラに乗って遊んでいるのが、妹のユウと申します。 よろしくお願いします。 あのー王様って、ほんとは、トトロなんでしょ?」  またもや 牙偉は慌てて、「おいおいっ!お前、王様をトトロなんて言うなよ。 いきなりモエワールドに来たから、頭がイカレたのか?」

っ、ふふふぅ、ユウはトトロの映画が大好きでね、よく会いたいって言っていてからね。 丁度よかったわ。 ユウ!ユーウーー!ちょっと急いで来てごらん。」 「ナーニーどうしたの? クジラに乗ってるの、最高に楽しいよ。」 「ユウ、前を見てごらん、どう見たって王様は、トトロにそっくりだよねー。」 「ホントダー! 王様ってさ、大好きなトトロそっくり。 耳がちょっとだけ長いのと、シッポが細くて、長いだけじゃん。」

ハラジャ王様は、顔をニマニマさせて、「ほーぉ、面白い子たちじゃのー。 待っていたかいがあったようじゃな。  こりゃー楽しみじゃ、ワクワクしてきたぞ!。」 少ししてモエが、けげんな顔をして「王様、さっきから気になっているんだけどね。王様は一人ぽっちなの? お后様とか、兵隊は、いないのですか?」 「おー!! それそれ、モエに是非ともやってもらいたい事がある。よいか、わしが印をつけた壁に、モエとユウで猫の絵を描くのじゃ。 その後で、わしが呪文を唱えると、壁からみんなが抜け出てな、本物の猫になるのじゃ、ささ、描いておくれ。 この日が来るのをうーんと、待っていたのじゃ。  牙偉お前も手伝いなさい。」

れから、5時間も休まず夢中で、モエとユウは宮殿の壁に、思い思いの猫を描きまくった。 牙偉は絵の具の用意やら、水くみ、そして二人の汗をセッセとふいてあげた。 最後の百匹目になった時、「そーだー、 牙偉のガールフレンドを描いてあげよっと。」 そう言うと、とってもカワイくて、シッポが長くて、緑色の雌猫をプレゼントした。 「おおー、、よーく描けてるぞ、すばらしいが、描いた猫の色がはみ出ているな。 牙偉、色のはみ出た所は消しなさい。 それではと、さーさー出でよ、ワガシモベ達よ。 モエとユウが描きし、ワガシモベ達よ、ルウーラ・ウーラ・スワージャ!」   出てきた、出てきた。99匹の猫、色とりどり、まるで南国のチョウチョのようだ。  

ともう1匹、どうしたかって、そりゃだいじょうぶ、牙偉がデレデレしてるだろ。 あんなうれしそうな顔は、二人とも今まで見た事がない。 「おい 牙偉!、いつまでデレデレしてんのよ。」とゴツンと牙偉の頭をこづいた。 「いてーよー、何すんだよモエ、せっかくイイトコなのにさ。」 「前をみなよ、皆が見てるよ。 恥ずかしいから、ちゃんとしなよ。それに王様が話を始めたよ。」 「さーて、 2年前に、魔王のジャギーが来て、わしの大切な后をさらって行き、大臣や兵隊を壁に閉じ込めてしまった訳じゃが、モエとユウのおかげで、諸君らは助け出された。 あとは后じゃ、后を助けだせるのも、人間界にいる者で、愛と勇気がある、女の子にしか出来ない!。 そこで、もう一度モエたちの助けがいるのじゃ。 どうかモエとユウ、ワシの大切な后を助け出してくれまいか。」 

い、魔王ジャギーと戦うのはやばいぜ、やっぱり帰ろう、変なことになっちまわないうちにさ。さー早く乗れってばよ・・・・・・おいっ、おい、変なこと考えるなよ。 なー、俺は行かないからな。 どーしても行くなら、お前一人で行くんだぞ、いいな。」  牙偉は、急に落ち着かなくなってきた。
「うっ、うーん・・・。」と悩みながら、すごく怖そうだが・・・・・。「ユウが一緒に行かないかなー。」などと、迷って、うだうだしている足元を、ガリガリと 牙偉の彼女のジョジョが引っかいた。「さっさと助けに行きましょうよ。」
 
の時だ、突然宮殿の床に、黒いしみができて、それがワサワサと動き出した! 

え切れないほどの兵隊アリが、襲ってきた。 あまりの恐ろしさにモエは、壁にへばり着いて大声で叫んだ。 ひげとひげを絡ませ合った後に、尻振りダンスをしだした兵隊アリ達は、尻をプイッと上に突き出し、白い煙を出すと、巨大な一匹の兵隊蟻に変身した。 「お前たちを、一飲みにしてやろう。」 モエはガタガタ震えていたが、食われると知って勇気をふりしぼり、「あたし達を食うだと! 絶対負けないからね。」 モエはドーンと、思いっきり床をけって飛び上がり、モエワールドに来た時に、 牙偉が顔に付けてくれたヒゲを、巨大蟻の目を狙って投げつけた。 が、残念ながら、目には当たらなかったけれど、幸運にも鼻に吸い込まれた。「ビッ、ビェクション!!」と凄まじいクシャミをすると、その反動で壁に激突して吸い込まれてしまった。

れで、勢いついたモエは、「あたしは、行くよ。お后様を助けに行くからね。」  猫たちの盛大な足踏みと大合唱が、宮殿に鳴り響いた。 マハラジャ王は、シャボン玉色した鍵をモエに授け、「この鍵はな、困ったときにあたりを見回すと、必ず鍵穴があるから、そこに差し込むのじゃ。 中にはお前を助けてくれる物が入っているはずじゃ、鍵をなくすでないぞ。 心から、お前たちの無事を祈っておる。 后を頼んだぞ。」 モエの足が急に小刻みに震えだし、緊張して行くのが解った。

エワールドは、あたしが心で願ったことが、かなう所よ。だから、ユウが来たんだわ。」 自分に言い聞かせていた。 そして 牙偉に飛び乗ると、「よーし、牙偉そこのジュータンのしみに、飛び込んでちょうだい。」牙偉は、ムニョムニョとジュータンのしみへと、もぐりこんでいった。 

に入って、幾つもの険しい山を越えた時だった。 何十匹もの大毒クモが、岩の中から出てきて立ちはだかった。 「ここから先は、魔王ジャギー様のお許しがない者は、通す訳にいかないぞ!さー帰れ!」 モエは無視して、 大毒クモ達が出てきた岩の中に飛び込んでいった。
中は異様に明るく、溶岩の大きな岩ばかりで、月が三つも照り輝き、目がかすみ、頭痛が皆をおそった。 キーンキーンと頭の中に、何かが駆け回り、二人と二匹は意識を失いかけていた。  モエは必死に、王様に教わった鍵穴を探し、ヤットの思いで首から下げていた鍵で、 地面に出来た小さな扉を開けた。 すると、中からすごい勢いで、雲が湧き出て、嫌な音や目がかすむ光りを、遮断してくれた。 やがて雲は、津波のように大きな岩を打ち砕き、中にいたジャギーの手下や戻って来た 大毒クモ達は、泡のように消えていった。 雲が全て出てしまうと、あの小さな扉の中は箱になり小さな鏡が二つ入っていた。  モエとユウは鏡をポケットに入れた。

人が再び猫に乗って、雲の上に出てみると、ジャギーが待っていた。 でかい蛇が、翼もなく空を自由に飛んでいる。 振り向いたジャギーの上半身は人間で、下半身は、鉄の鱗で覆われ、長い尻尾で、ガラガラと凄い音をさせている。  これほど凄まじく怖い姿を、生まれて初めて見た二人は 「こんな恐ろしい奴とどう戦かえばいいのよ!。」  「待ってたよ、お二人さん! やけに身体が光ってるな。」 そう言いながら、身体の鱗を次々と剥がしながら攻撃を開始。  鱗は、二人を逃がさないように、ゆっくりと回り始めた。 次の瞬間ジャギーは、尾を激しく震わせると、轟音とともににカマイタチ(衝撃波)を発生させ 、飛び回っている鱗に、カマイタチを共鳴させると、ズッドーン、ビシビシーと轟音を響かせながら、二人を直撃してきた。 その時、不思議な事がおきた。
モエとユウの鏡が、ポケットから光りを発して、素早く二人と二匹を包んで、守ってくれた。     モエは 足元で波打っている雲で、 ヤリとタテを作り、鏡の光を当てて最強の物にした。  轟音と共に襲ってきたカマイタチを 、タテで何度も跳ね返すうちに、ジャギーに跳ね返り、怯んだところに、ヤリを投げつけてジャギーのお腹に命中させた。

エは、鏡の光と、雲で編んだロープで、ジャギーを捕まえよう、 そう思ったとたん、光と雲は絡み合い、猛スピードでジャギーに巻きついた。 そして、姿を おおうほど締め上げると、尻尾を叩き落し、ジャギーを岩に封じ込めた。 モエは叩き落とされた尻尾の中から鍵を見つけた。 ユウは少し離れた所に、ひときは大きい岩を見つけて叫んだ。「モエー! あの大岩が、怪しいいよ。 キッとあそこに、王妃様が閉じ込められてんだよ。」  大岩のそばに行くと、とっても大きな扉があった。 モエは一度身体を大きくしてジャギーの鍵で扉を開けて、皆を招いた。

には、石ころが一つだけで何も見当たらなかった。 ガッカリして皆が出ようとした時、突然モエとユウの鏡が 外の光りを受けて輝き、その石ころを照らした。 いや、石の影にいた、とても小さい猫に当たったのだ。 光りを浴びて、元の大きさに戻れたお后は、マハラジャ王よりも更に大きなデブ猫さん、でも笑顔は世界一可愛いくて、モエとユウは、この笑顔に最高の幸せを感じた。 シャンボール城の喜びの歌声と、笑い声を後に、モエは 牙偉に、ユウはジョジョに乗って、家へと戻った・・・・。

・・・と思いますが、あまりにもモエワールドは、刺激が多すぎましたので、直ぐに帰ったかは解りませんがねー。

             これで、一応おわりと言う事にします。   千夜彦一より