猫じんべいと毛虫のパム 

 

 

 

かーし、むかしの話をしようか。
あるところにな、片耳だけ大きな、真っ青な猫がいた。 名前はじんべいという、大きな雄猫。  どのくらい大きいかだって、まずは耳だが、左の耳だけ大きいぞ、うさぎの耳ぐらいあってな。 体は、ゆきちゃんのロバのぬいぐるみ位はあるよ。 そして大の仲良しは、毛虫のパムだ。 


二匹が友達になったのはね、じんべいが、野原でうんちをして、、”あーすっきりした、さて行くとするか。”と、立ち上がったときだった。 ”やい、こらっ、そこの 青猫ちょっと待った。 なんてことするんだ、ひどいじゃないか。” じんべいが、ふりむくと、なんとじんべいがしたうんちの下で、もがいている一匹の毛虫がいた。





ーっ、なんでそんな所にいるんだよー。”  ”好きでいるんじゃないぞ! 僕が昼寝している所にいきなり来て、なんてひどいことするんだよー。”  ”あ っりゃーっ、そりゃー悪かった。すまんすまん、すぐに水を汲んでくるから、待ってろなー。”  落ちていた棒で、うんちをどけて、毛虫を助け出すと、急いで水を汲んできた。 ねこじゃらしできれいに洗い、 やわらかい葉っぱでよーく拭いてやった。  ”あーやれやれ、ひどい目にあったもんだ。それにしても君の片方の耳は、やけに大きいね。何かありそうな耳だな。” 


”へっへーん、わかるかい? 実はそうなんだが、誰にも言うなよ、この耳のおかげで、月の女神様とお話ができるんだっ!”  ”そいつは、すごいなー。月の女神様と、話をしているところを見たいもんだなー。” そんなことがあってから、二匹はいつも仲良く一緒にいるので、他の猫たちから、じんべいは毛虫兎猫と言 われ、からかわれた。 じんべいの体には、必ずパムがついているし、おまけにこんな耳だから、しょうがないと思っていた。





んなある日のこと、毛虫のパムが、急に寒い寒いと言い出して、木の葉にくるまって、今日で5日目だ。 そばで心配そうに、じんべいはうろうろしていたが、そのうちに、町で一番高い木のてっぺんに登って、月の女神様にお願いをした。 

”どうか、僕の願いを聞きに、降りて来てください・・・大切な大切な友達のパムが、死にそうなんです。”  すると、じんべいの片方の大きな耳に、”大丈夫よ 、じんべい、 パムは、今さなぎになるところなのよ。そして、もうじき蝶になるの。
だから心配せずに待ってあげなさいね。”  ”へぇー、そうかー、蝶になるのか、でもおいらを置いて飛んでいっちゃうかもなー。 

そーだ、女神様、おいらの耳を羽に取り替えてください、お願いします。” 
”黒猫に羽だと、コウモリみたいだけど、いいの?”  
”羽が、欲しいと思ったときだけ、羽が出てくればいいんです。 あとね、ゆっくり   とか、早くとかも飛べるといいんですが、だめでしょうか・・・?” 
 
”随分と欲張ったこと、いいわよ、そのかわりに耳は返してもらうわ。” と言ったかと思ったら、いきなり大きなハサミでパッチーンと耳を切ってしまった。 切り取った耳に、女神様は、そーっと息を吹きかけると羽が出来上がった。 
”どーぉ、これでいいかしら?” そう言われたって、いきなり耳を切られ、じんべいは驚いて、目玉がぐりんぐりん回ってるだけで、返事ができなかった。

 



んべいが気づいたころには、女神様は羽に色を塗り終わっていた。 羽の周りは、緑色で、真ん中はピンク色に 、”げっ、おいら、男だぜ、全く イヤになるぜ、耳をつくるときだってさ、真っ赤な耳で、おまけに両耳がとっても長くて、イヤだイヤだと言って、やっと黒くしてくれたけど、それでも片方の耳だけは長いまま にして。 こんな羽の色じゃ、仲間に入れてもらえないから、こんな色嫌いです。” 


 ”お・だ・ま・り、この色は、私が大好きな色よ。 だから、今回は絶対に変えませんからねー。”  かわいい羽をつけられてしまったじんべいは、がっかりしたが、 ”まぁーいいか、ずーっと見えている訳じゃないんだ。”  と思い直して、テケテケとパムの所に 戻っていった。 その時だ、さなぎのパムが、ピキピキと音を立て始めたので、じんべいは、目玉をさらにでっかくして、パムをしばらく見ていた。





ると、パムが顔を出して、”や−待ったかい? どうだい僕の羽おかしくないかい?”  ”すっごくきれいだぜ!”  ”へへぇーん、実は君の羽に合わせたんだ、緑のふちに、ピンクだよ。”    ”どうして俺の羽のこと知ってるんだ?”


 ”それはね、もうじき蝶になれるなと思った時に、ハートがね、ぷるぷると震えたと思ったらさ、”羽の色はじんべいとお揃いにしたけど、いいかしら?”と聞こえてきたんで、”もちろんです。” そう答えたんだ。 ”俺にも聞こえたんだよ、月の女神様の声がね。” 


”さーおまちどう、羽がかわいたから、飛んでみようよ。”  じんべいは、始めのうちは猫かきで、必死で空を泳いだ。 ”せっかく羽があるんだから、こうして羽ばたくといいんだよ。” ”いゃー、なんたって空を飛んだの、初めてだから、あせるぜ!” ”あわてずに、羽に任せて、 風が運んでくれたら、羽ばたかせればいいんだよ。 そーそうだ、いいぞ。 さー今度は空高く飛んでみようね。”





れー、猫が空を飛んで・・・いる。 あれって猫だよなー、俺たちってさ、空を飛べたっけな? おーい見てみろよ、ありゃじんべいだ、じんべいが、蝶と一緒に空を飛んでるぜ。” 野原で昼寝をしていた、野良猫たちが、いっせいに立ち上がって空を見た。


”本当だ、じんべいが、空を飛んでいる。あいつ、いつから、兎猫から、鳥猫に変わったんだ、いいなー俺も空を飛びてーなー。”  空の上で、じんべいは、宙返りができるほど、飛ぶのが上手になり、二匹ともお星様が出てきているのに気づかないほど、飛ぶのに夢中で遊んでいた。


と、その時ヒュィーンと流れ星が飛んできて、二匹を月まで連れて行ってしまった。 だから今でも、時々お月様の中で、羽の付いた猫と蝶が、飛んでいるのが見えるけど 、知っていたかな。      さーこれでおしまい・・・・・。