風にのって 初夏のたより
 

 
  2001年6月
 常緑樹の濃い緑と、落葉樹の生まれたての淡い緑に、一面を包まれた八ケ岳の裾野は、心地良い初夏の風に満ちています。 カッコウが、今年も元気よくも鳴きはじめたので もう霜の心配は要りません。 それにしても今年は例年にないほど暑く、5月中旬から時々半袖が着れる(それでも、朝と晩にはこたつが必要です)のは、やはり温暖化の影響でしょうか?


 歩絵夢の開業当時、8月上旬の1週間だけしか半袖が着れなかったのが、嘘のようです。先日の新聞に、このままの状態でいくと日本は100年後には、600Km南下した生活環境と同じになり、仙台市が現在の東京の位置になるそうですよ。

 皆々様、お元気でお変わりなくお過ごしでしょうか?
皆様がお住いの所は、そろそろ真夏の暑さが顔を出す頃なので、話の出始めくらいは涼しげなスタートにしますので、今回も暫くお付き合いして下さいね。

 『カナダから友人が来ました。』
3年に1度くらいは、ゴールデンウイーク 中に雪が降り、お客様を驚かせますが、今年は5月3日に、20cm強の大雪が降り積もり、私達も驚くほどの雪でした。 お客様のお食事を出し終えてから、慌てて除雪機を運転しました。水分を多く含んだ雪は滑りやすく、私の不注意からお客様の自転車に接触して、スポークを1本折ってしまいました。この自転車の持ち主はカナダから来てくれた、ハンス・グモーザーさん達の−台です。


 ハンスさん御夫妻は3年前にも友人と4人で来ていますが、今回は奥さんのマーガレットさんの妹のパーパラさんと、息子のアンドリュー、そして友人のカールさんの5人で来てくれました。 自転車が壊れたら、ツーリングが出来なくなる、とんでもない事をしてしまったぞ! 英会話が出来ないので近くで雪かきをしてる妻に状況を説明して、ハンスさんに二人で謝ると「大丈夫だよ、替えのスポークを持ってきているからね。」と言ってニッコリ、さすがに用意がいいね。


 日本が好きで9回目だそうです。そして今回は一力月の長逗留とは正にリッチマンだ。そんなリッチな方に昨年私達は、「会えたら 、いいな−と気軽に思って」カナダ行きを決行しましたが、ヨーロッパヘ旅行中で会えずに、帰国しました。


  気の毒に思ったのかな? 私達に会いに来てくれました。長身で力持ちのアンドリューの雪かきの早いこと、「カナダでもやっているからね。」と 言いながら見る間に終わらせてしまう。なんて、清々しい笑顔、それに優しい目の輝き、貴方はいったい何者なの? 

 そ うこうしている間に名古屋からじゅん子ちゃんが手伝いに来てくれました。
彼女にはもう何回助けられた事か。忙しくて大変になると、電話で助けを求めてしまいます。会社が休みの貴重な時間を割いて来てくれる、縁の下の力持ちです。


  この雪で来れないかもしれないと、妻と心配していた所に『オーナー!また来ました−。』車から元気な声とチヤーミーな笑顔が見える。彼女の笑顔を見ると元気100倍になれます。彼女は、歩絵夢のお客様のお名前や、お顔をよく覚えています。 「道路の雪はそこそこ解けていたので、登れて来れました!」 着いたばかりで直ぐに雪かきを手伝い始める。 顔に似合わないあのタフさは何処から来るのかな−。 我が家の二人の娘は「ジュン姉ェー」と言って自分たちの姉のように慕っています。


 じゅん子ちゃんをグモーザーさん達に紹介し、一息入れてからペンションの清掃とベットメイクを始めると、マーガレットさんとパーバラさんの 二人が、「私達がペットメイクをやってあげるわよ。」 半信半疑で手伝ってもらい始めてビックリ! きれいで手早い。やはりベットの 国の人は違うなー。 じゅん子ちゃんが「私の仕事が無くなるよー。」 この人達は好奇心旺盛なリッチマンだ、ただ者じゃないね。


  その内にじゅん子ちゃんが『ロッジを30年やっているとか言っていますよ。』 後で妻を交えて話を聞くと、バーバラさんはカナダのキヤンモアに住まいがあり、ハンスさんも近くに住んでいるそうです。そしてアシニボインでロッヂを30年も経営してるそうです。


 納得、留守番はご主人とスタッフでしているそうです。 ここのロッジは、私達がカナダに行く前にBSTVで南可歩がトレッキングに挑戦していたのを観た覚えがあります。 好青年年のアンドリューは、山のガイドもしているそうですよ。そして妹さんは、長野五輪のクロスカントリーの選手で、今もナショナルチームの一員だそうです。 


 ふとハンスさんの足の親指を見ると爪が血豆で真っ黒だ。「テレマークスキーでなったよ。」こんなになるまで滑るの? 私とは大違いです。 カナダで買った地図を開くと、パンフの左隣にマウント・アシニボイン.プロパンシャル・パークの中に、アシニボインロッヂが記載されています。そしてパンフレットを見ると「ウワ ァー!これってモレーン.レイクに似てるよ。側にはテンビークスのような山々があってさ、すっごく行ってみたいねー。」と本音で羨ましがると、「何時でもおいで、歓迎するわよ。」 とパーパラさんが 言ってくれました。

 皆さん、カナダは写真の通りで、掛け値無しの所だと思います。 ロッキー山脈は行けども続くし、湖も数多く、全てが個性的で美しい。それでも私が見たのは、ほんの一コマに過ぎません。ハンスさん達は 自転車のメインテナンス中にもかかわらず、「写真を撮るから一緒に撮ろうよ。」と声を掛けると、全員がその度に気持ち良く応えてくれます。なんてサービス精神が旺盛な人達でしょう。


 ハンスさんの日本での友人の大塚さん御夫妻が、会いに来ました。ハンスさんの人柄がわかる、とても心強い素晴らしい御夫妻です。ご主人はスキーとテニスに燃えています。さて、雪の為に一日延長した彼らは、5月5日に出発して、美ヶ原〜志賀高原〜新潟の十日町〜福島の磐梯山〜群馬の高崎、そして歩絵夢に5月22日、無事戻って来ました。 走行距離が 千数百キロを走破とは、すごい!!


 10代の時に、2泊の自転車ツーリングに行っただけの私ですが、景色や人々の暖かさが直に伝わり、心にしみる・・・そういう旅をハンスさんとマーガレットさんは、カナダは勿論、欧州や日本で何十回も体験しているんですね。そして、日本人の細やかな人情に触れて、二人は 日本をますます好きになったと思われます。私はこの二人のおかげで、もっと日本という国に自信を持ち、誇りを持って生きる事の大切さを教わった気がします。


 ハンスさんとマーガレットさんの、あの光り輝く瞳が忘れられません。ますます好きになりました。ハンスさんは最後の夕食の時に「和彦、私にミスターを付けないでハンスと呼んで欲しいよ。」 と言ってくれました。和菓子とあんみつ、それに岩魚の姿造りが食べたくなって、日本にこれからも来てくれる事でしょう。

 P. S
今年の蓼科高原はなかなか忙しいです。冬の大雪の後には黄砂が風で大量に運ばれて、車に黄砂と花粉と樹液をどっさりぬったくられ、車が好きな私(しかも花粉症)を大いに困らせています。 花粉症に効く何か薬はないものかな−。 


 この花粉症のせいでしょうか、先日かわいそうそうな事をしてしまった。 子供の通学の途中に 両側は畑で1Km程の直線道路を 80kmのスピードで走行中に、前方100m程先に二羽のツバメが飛んでいました。 大きなクシャミをして下を向いたその瞬間、急な反転をした一羽のツバメが車の前面ガラスの隅に激突.。 『ごめんね−!』  皆様も車の事故を起こしませんように。